
平成元年(1989年)、元宮内庁楽部楽師の『薗 広教』の下で、雅楽を学び研鑽してきた有志が、雅楽の底辺拡大とレベル の向上をめざし『翠篁会』という雅楽の研究・演奏団体を結成したのが始まりで、平成14年(2002年)に天理市二階堂に雅楽練習場を建設、名前を『雅楽翠篁会』と改める。
練習場建設を機に元宮内庁楽部楽長、日本芸術院会員でもある『東儀 俊美』を会長として迎え、
「千数百年来伝承され続けてきた正統 的 な雅楽の研究と演奏」、そして、
「現代の風潮に媚びることのない雅楽」を理念とし、
少しでも純粋で正統な雅楽の演奏を目指して日々研鑽を重ねている。
平 成11年(1999年)より、2ヶ月に一度、1泊2日で中学生以上参加の講習会を開催、それとともに練習場開設以後「雅楽教室」を開き、子供たちとともに愛好家の方々が 多数練習に参加、この練習生の人たちも含め、平成15年以降毎年定期演奏会を開催している。
当会では、私たちの理念とする雅楽をするた め に、「雅楽教室」の子供たちは“暗譜”で練習をしている。口伝にて伝わってきた雅楽の形態を実践して子供たちがどのように成長してくれか、芸術性のある雅楽の演奏家が一人でも多く育つよう育成に力をそそいでいる。
雅楽翠篁会 会長
東儀俊美(とうぎとしはる)の略歴

1929年、四天王寺派の楽家の長男に生まれ、1941年、宮内庁式部職 学部に入学。
1949年、同楽部の楽師。1956年重要無形文化財保持者。 1994年に主席楽長に就任。
御大喪、平成の御大礼、伊勢神宮の御遷宮など の奏楽、大嘗祭の悠紀風俗歌、風俗舞の
作曲、作舞、皇太子殿下(現天皇)の御歌による催馬楽「大空」の作曲などを手がける。
1996年、退官。1999年11月3日、勲五等 双光旭日賞。
2000年3月に平成11年度の恩賜賞・舞楽保存会特別顧問のほか、各地で雅楽の指導を行っている。
2003年、雅楽翠篁会の会長に就任。
著書には『雅楽神韻』『雅楽縹渺』『雅楽壱具』『楽家類聚』 等がある。
2011年 4月20日 永眠 東儀俊美会長を偲ぶ